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牧場のトイレ事情  作者:牧場のトイレ事情

 牧場は広い。脱走を試みたとても敷地の外に出る前に力尽きてしまうほどである。
 それほど広大なこの牧場に無さそうで有るのがトイレである。
 放し飼いにされた雌畜を眺めたり狩りをしたり戯れたりと紳士たちが様々な遊びで
楽しむこの牧場、時間を忘れることはできても生理現象は待ってはくれない。中には
自然の中での放尿と洒落込む者もいるが、やはり紳士たるもの他人の敷地において
そのような行為は慎まねばならぬと考える者も少なくはない。そのような紳士たちの
ために牧場の各所にトイレが用意されているわけである。
 しかしトイレと行っても侮ることはできない。顧客満足度の高いこの牧場、トイレと
いえども軽くは扱わない。施設は景観に溶け込むかのように計算された外観であり、
訪れる紳士たちに不快感を感じさせることは全くなかった。だが見事なのは外観だけ
ではなかった。その内装設備もまた充実しており、美しい装飾などで紳士たちに心地
よい排泄の場を提供している。
 それだけではない、雌畜との戯れにも用いることが可能であり、効果的に恥辱を
与えるためにワザと汚くしている部分まで用意している周到ぶりだ。
 凡百の観光地に見習わせたいほどに充実したこの牧場のトイレ環境は留まることを
知らない。ランクA以上のVIP会員には希望すれば携帯用のトイレを貸し出すサービスを
行っている。

「すまない」
 同好の士に謝辞を述べ、その場を離れる紳士。VIP会員付の案内人で”トイレですか”と
伺いを立てるようなぼんくらはいない。すぐさま携帯用トイレの準備に取り掛かる。
 案内人の目配せにより4人の屈強な男たちが荷台から”便器”を下ろす。”便器”は
透き通った蒼い瞳に流れるようなブロンドヘアで、顔立ちこそ幼いもののそのスタイルは
高校生とは思えないほど豊満であり、母がフランス人であることを理解させるに十分で
あった。ここに連れてこられる前は”鳳仙エリス”という名を持っていた。
 ”便器”仕様のエリスは口に轡を嵌められて、白いパンツと黒のニーソックスを着用
しているのみであった。男らはエリスを台に載せると紳士の元に持っていった。そして、
パンツを下ろし仰向けにして紳士の前に準備をする。
 恭しく仕える男らと対照的に押さえつけられたばかりか大事なところを晒されたエリスは
恐怖と羞恥に打ち震えていた。だが紳士はトイレをしようとしない。
「すまないが下に向けてくれ」
 紳士の言葉に男らはエリスをうつ伏せにする。懸命に抵抗するも所詮は小娘の力、
なんなくひっくり返される。これが何を意味するかエリスは知っていた。
 ここまでエリスは紳士の小便を身体に掛けられていた。だが、今度は違っていた。男らは
エリスの尻肉を掴むとそれを左右に押し広げた。
「相変わらず美しい」
 紳士はエリスの肛門に舌を這わせる。その怖気と、そして仕込まれた快感がエリスを襲う。
雲一つない爽やかな風が吹く中、エリスは肛門を舐められて喘いでいた。
 それもやがて止まる。その瞬間が来たのである。紳士はエリスの肛門に狙いを定めると
そこに向けて己の一物を差し込んだ。
 刹那、エリスは目を剥いて身体を硬直させる。猿轡がなければ牧場中に彼女の悲鳴が
轟いていたであろう。肛門に異物を挿入され苦しむエリスに今度は別の感触が現れた。
 紳士はあろうことかエリスの肛門の中に小便を放出したのである。
 肛門を犯される痛みと体内に放出される小便の生温かさが苦痛と羞恥になり、エリスの
瞳からは涙が零れ落ちていた。
「ありがとう」
 エリスの体内に放出し終えた紳士は案内人に礼を言うとチップを手渡した。案内人は
それを恭しく受け取ると彼を元の場所へと案内していった。男らはエリスのパンツを上げると
元の荷台へと積み込んだ。
 紳士に小便を注ぎ込まれたエリスに、だが悲嘆に暮れていることは許されなかった。
直腸内のものを漏らすことは許されることではなかった。もしエリスが”粗相”をしてしまうと
彼女には”折檻”が与えられることになっている。
「では次の場所にご案内いたします」
 案内人は紳士らを次の場所へと誘った。その後をエリスを積んだトラックが続く。紳士の
小便を入れられたお腹にトラックの振動が激しく響いた。
「くぅぅぅ・・・・・・」
 エリスにそれを出すことは許されてはいなかった。漏れる”トイレ”など要を為していない
からだ。
 あと何時間続くのか、あと何回入れられるのか、エリスは判らなかった。そんなことは
彼女に教えられていなかったからである。鳳仙エリスは家畜に過ぎないのである。そんな
存在に教えることなど何もないのである。
 苦しみに呻くエリスを見つめる二つの瞳があった。それは彼女の親友である藤波朋子で
あった。朋子は苦しむエリスを何とか助けたいと願い、そして恐怖した。エリスの身にふり
かかった災いは自分にも襲い掛かるであろうことを彼女は知っていた。朋子もまた家畜で
あり”便器”であった。
 床に蹲っているエリスのお腹は妊婦の如くぽっこりと膨れていた。一見すると妊娠していると
勘違いしそうなこのお腹の中に入っているのは愛する男との愛の結晶などではない。そこに入って
いるのは紳士の尿であった。
 エリスを専属便器にしている紳士はいささか頻尿気味であり、トイレに行く回数は多かった。
流石に肛門内への直接排尿は最初の一回だけであったが、排泄された尿は浣腸器によって吸引され、
エリスの肛門からその体内に”排出”されていたのである。その幾度となく”排出”された尿は
妊婦のごとくエリスの腹をおぞましく膨張させていた。
 エリスは時折呻き声を上げるだけで床に伏せたまま動かなかった。いや正確には動けなかった
のである。肛門には栓らしきものがされてはいたが、それは緩く、気を抜けば中のものが溢れかえ
らんとしていた。エリスに出来ることは肛門に力をこめて、惨劇を少しでも遅らせることだけで
あった。
「エリス・・・・・・」
 理不尽な仕打ちに苦しむエリスの姿に朋子は溢れる涙を止めることができなかった。彼女とエリス
はワンルームマンションの部屋に匹敵するような大きなガラスケースに閉じ込められ、その中間には
これまた大きなガラスがはめ込まれ、二人を分断していた。
 この”便器輸送コンテナ”は戦車の砲弾でも壊れないと豪語するだけあって強固にできており、
病弱な朋子がどんなに力をこめて叩こうにも割れるどころか動くことすらなかった。
 声すらも伝えることのできないコンテナの中で二人は見つめることで互いに励ましあっていたが、
体内排尿以後のエリスにはもはや朋子の励ましに応えるだけの力は残されていなかった。
「こんな・・・こんな酷い・・・・・・」
 だが朋子にエリスの姿を嘆いている猶予はなかった。彼女もまた専属便器であった。体内排尿は
なされていなかったが、その身体にはもう一人の紳士に尿がかけられており、異臭が漂っていた。
現在のエリスの姿は未来の、それももうまもなくの朋子の姿であることは間違いなかった。
 やがて防護服に完全防御された男らが朋子の檻に入ってきて、彼女を連れ出した。彼女にもその
瞬間が訪れようとしていたのである。恐怖に震える朋子、だが事態は彼女の予想を超えていた。
 朋子を専属便器にしていた紳士は排尿ではなかった。本物の便器に座って力んでいた。やがて
用を足し終えた紳士が立ち上がると別の防護服の男がその便器の中のものをジューサーに入れて
スイッチを入れた。そして待つこと数分、男はシェイク状になった紳士の便を洗面器に移した。
「は、放せ!はなせぇぇぇぇぇ!!」
 朋子は大暴れで抵抗した。どこにそんな力があったのか、男らが驚くほどの力で抵抗をしたので
ある。だが所詮は病弱な少女、すぐに取り押さえられた。
「嫌なのかなぁ〜」
「当たり前でしょ!」
「便器が喋るな!!」
 朋子は地面に顔を押し付けられた。
「どうする?」
 大暴れをした朋子に”排出”が容易でないことを予想した男が仲間に尋ねる。
「下が駄目なら・・・上だな」
 そういうと男らは朋子の顔を洗面器に近付けた。
 懸命に抵抗する朋子、だが既に力は出し尽くしており男らに為すがままであった。
 朋子の顔は洗面器に近づいていった。その悪臭にも似た刺激臭が朋子の鼻腔に入り、嘔気を
催させる。口を開けたが最後、その刺激臭が口腔を冒し尽くそうとする中、朋子は目も口も堅く
閉じて開こうとはしない。
 紳士はこの醜態に眉を顰めた。それを見たコンダクターがすぐに男らを止めた。そして、紳士が
何やら話かけ、それを男らに告げた。
「その便器に処理を選ばせるように仰せです」
 その言葉の意味を朋子は理解できなかった。一方、男らはその言葉を理解した。彼らは朋子を
仰向けに押し倒した。
「これをどこで処理したい〜?口か、肛門か、それとも・・・」
 男の一人は朋子の股間を踏みにじった。
「くっ!くぅぅぅ・・・」
「おま○こに入れられたいかぁ〜」
 男らは朋子から離れた。
「口なら顔をこっち向けろ!肛門なら尻だ。おま○ならそのままでいろ!」
 そのあまりの言葉に呆然とする朋子を男らは嘲笑まじりに睨み付けた。そして諦めた朋子は
おずおずとお尻を男らに向けた。
「最初っからそうすりゃよかったんだよ!」
「はぁぁっ・・・・・・!!」
 男らは朋子を押えつけると、その肛門の中に浣腸器で紳士のシェイクされた大便を注ぎ込んだ。
 屈辱感と不快感、そして絶望感に襲われながら朋子は自分の中に他人の大便が注がれるのを耐え
ていた。
 その量は何度も尿を注ぎ込まれたエリスに比べると少なかったが、病弱であり、またそのモノに
よって朋子に破壊的なダメージを与えた。コンテナに戻された朋子にエリスを気遣う余裕はもはや
なかった。
 やがて紳士らはこの場所の見学を終え、別の場所に移動した。当然、朋子とエリスら”便器”も
持ち運んでいってである。そしてヘリコプターに牽引された輸送コンテナは次の目的地に着陸を
開始した。
 突然、大きな衝撃がコンテナを襲った。荒っぽい着陸をしたのである。しかし、これはワザとで
あった。中の二人に激しい衝撃が伝わったのである。
「ぐぅっ!」
 朋子はその衝撃に懸命に堪えた。そして何とか耐え切ることができた。だが、朋子よりも前に
ダメージを受けていたエリスにはその力はなかった。
 防音されたガラス越しに断末魔のエリスの叫び声が聞こえた。この衝撃に耐えることができな
かったエリスの肛門は栓を支えることができず、その中身を、紳士の尿とそれに攪拌されたエリス
自身のものを放出していた。エリスの身につけていた純白のパンツはその汚れに染まっていった。
 家畜扱いの”便器”であるにもかかわらず、エリスも朋子も純白のパンツを身につけていた。
そのパンツは牧場のものでもなく、無論エリスや朋子のものでもなかった。それは紳士らから
借り受けたとされているものである。そしてエリスと朋子はこれを汚すことを厳しく禁じられて
いた。
 耐え切れなかったエリスをコンダクターは作ったしかめっ面で、紳士は作った哀れみの顔で
見ていた。大事なお客様のものを汚してしまった家畜は叱られなければならない。コンダクターは
エリスを別の場所に連れて行くよう男らに命じた。”躾”の時間が始まるのである。
 エリスに”躾”を付けに行く紳士の姿をもう一人の紳士は羨望の眼差しで見送り、そして朋子に
視線を注いだ。
 その”躾”をしたような眼差しに朋子は怒りの眼差しで睨み返す。
「絶対に負けるか!」
 一分一秒でも長く耐えてやる。朋子はそう決意した。
 お客様のものを汚してしまう不届きな家畜は”躾”を行う必要がある。
 うんちを漏らし、紳士所有のパンツを汚してしまった鳳仙エリスへの”躾”が行われる。
 エリスがうんちを漏らしてしばらく後に現れた男たちは彼女が入っていた方のコンテナのみを
解体し、汚物にまみれたコンテナの床を恥辱とショックで動けないエリスごと運び出していった。
「放して!放してよ!!」
 別の場所で防護服に身を包んだ男たちはエリスを拘束した。そして、エリスのそれぞれ両方の
手首、肘、肩の付け根、足首、膝、太股の付け根、さらに首に枷を付けるとコンテナの床の上に
大の字の磔にし、固定した。予め用意されていた固定用の穴はまるで予測していたかのように
正確に事態を表現する−うんちの色に染まったパンツを身に付け、その下の床は大量の汚物で汚れ、
エリスがうんちを漏らしたということが誰の目にも一目瞭然に判るようになっていた。
 男たちはエリスの口にも口枷を嵌め、コンテナの床の四隅にワイヤーフックを取り付けると待機
しているコンダクターに作業終了を報告した。コンダクターは作業員に二三確認をした後、エリス
を専属便器としている紳士に報告をする。そして紳士が鷹揚にうなずくと深々と頭を下げて部下に
指示を送った。鳳仙エリスの”躾”の時間である。
 まもなく牧場中のスピーカーが一斉に放送を開始した。
「本日○時△分、撫子学園1年A組特待生の鳳仙エリス嬢が大便を失禁しました」
 その放送にエリスは心臓が止まりそうなほどショックを受けた。そして逃げ出そうと必死になって
手足を動かそうとするが、がっちりと固定された手枷や足枷は寸分たりとも動かすことはできな
かった。
 そんなパニック状態のエリスを固定しているコンテナの床をヘリコプターは吊り下げて飛行して
いく。
「アレじゃないかな」
「おおっ。アレか!」
「本当に漏らしてるぞ!」
 ヘリコプターに吊り下げられた形のエリスを客である紳士淑女たちは指を指して嘲弄した。
そして、そんなエリスの様を”家畜”たちは悲しそうに見つめていた。
 ヘリコプターはやがて着陸態勢に移行した。
 ぐんぐんと高度を下げていくヘリの下には大勢の紳士淑女たちが溢れていた。ここは牧場の中の
待合所の一つである。
「まさか本当に漏らしているとはな・・・」
「まだまだ子供ということじゃな」
「子供にしては胸が大きいワイ」
「まったくけしからん胸だ」
「うん、けしからんけしからん」
「躾が必要じゃな」
 母親譲りの美しい金髪碧眼、整った目鼻立ち、豊満なバスト、きゅっと括れたウエスト、美麗な
ヒップ、黒のニーソックスと絶対領域、そして美しい存在を的確に穢しているうんちまみれのパンツ、
思う存分視姦されるエリスに抵抗する術などなかった。
 待合所の近くに設置されている大型モニターには彼女のプロフィールが、希望に満ちた撫子学園の
入学式が、夏の思い出の海水浴が、入選し表彰されている絵画展の様子が映し出されていた。
「(お兄ちゃん・・・・・・)」
 随所に現れる最愛の人の姿に希望に満ちた月日がエリスの脳裏をよぎる。流れる涙を拭うことも
できないエリスに衝撃の映像が映し出される。エリスの瞬間の映像が大音量とともに流れた。
「(み、見ないで!!!)」
 口枷をされて叫ぶことのできないエリスを周りの紳士淑女らは喝采を上げて楽しんだ。
 放送が終わるとトラクターが現れ、エリスを磔にしているコンテナの床を載せて進んでいった。
そのトラクターにはエリスを専属便器にしている紳士が意気揚々と乗り込んでいた。
「あんな美少女を”躾”できるなんて・・・」
「ほんと、羨ましいぜ」
「あれが超VIP会員の特典か」
「俺もなりたいなぁ・・・」
 汚物にまみれたエリスを先頭に紳士を乗せたトラクターが多くの羨望を浴びながら牧場をパレード
していく。エリス失禁の”躾”は始まったばかりである。

 どんな道具も手入れを怠ってはいけない。それを怠れば道具は傷み、その寿命を縮めてしまうこと
になる。それを避けるためには手入れは面倒がらず丁寧に行なうのが肝要である。それが逸品とも
なると手入れにも多大な労力を要することになる。もっとも好事家ともなれば、それも大きな楽しみの
一つとなるが。
「くっ・・・くふっ・・・・・・!」
 朋子の受難はまだ継続中である。紳士の大便を直腸に”排出”はされたが、エリスの紳士とは逆に
朋子の紳士は排泄行為が少なく、その分だけ挿入されることも少なくその日はかろうじて朋子は
耐えることができたのである。
 しかし紳士は、いや牧場は朋子につかの間のやすらぎすら与えようとはしなかった。
 その日の見学を終えた紳士は便器の手入れ、朋子のメンテナンスを行なわなければならなかった。
借り受けたものを丁重に扱う、紳士たるものにとって極めて当然のことであり、これは牧場における
暗黙の決まりごとであった。
 今日一日の仕事が終わった朋子の手入れは洗浄から始まる。直腸内に入っている紳士の排泄物の
除去と内部の洗浄である。
 朋子はまず四つん這いにさせられ、その姿勢のまま身動きの取れないようにフレームに身体を拘束
された。その後、直腸内の洗浄作業に移行する。
「もう・・・終わったんだから・・・・・・トイレに・・・」
「ちゃんとキレイにするから安心しなさい」
「そんな・・・いらぬ、世話は・・・・・・くぅっ!」
 今の朋子には悪態をつくのにも激しい消耗である。
「な、何よ・・・それ!?」
 コーチをする牧場の職員から紳士に手渡されたものに朋子は戦慄した。
「これは浣腸だよ」
「か・・・浣腸・・・・・・」
 朋子の顔には恐怖と絶望が浮かび上がる。
「入院生活の長かった君はよくしてもらって慣れているだろうけど」
「そっ、そんなことない!!」
「嘘はいけないなぁ〜」
「嘘じゃない!!」
 実際には朋子は病院で何度か浣腸をされたことがあるが、そんなことは公言するようなものでは
ない。だが、ここはある意味で別空間である。
 朋子の言葉に紳士は振り向いて目配せをする。すると職員は書類を取り出して、朋子の浣腸暦を
投入した日、時間、場所、薬剤、そしてどのような便がどれだけ出たかを詳しく述べ、その時の
朋子の体調や処置の反応まで極めて正確に朗々と述べた。
「やめて!!」
 朋子は叫んだ。耳を塞ぐことも身を隠すこともできない彼女にできることはそれだけであった。
さらに不幸なことにこの様子は”便器メンテナンス公開実演”として、他の多くの紳士淑女らの
耳目にも触れていたのである。
「浣腸慣れしておりますな」
「浣腸のプロフェッショナルですな」
「さぞかし楽しませてくれることでしょう」
 メンテナンスの意義や方法、そして道具の説明など講義を始める牧場の職員に聞き入る紳士たち。
羞恥に苦しむ朋子の耳にはそんなものは入らなかった。
「そして洗浄に使うのがこれです」
 別の職員が恭しくワインホルダーを台車に乗せて持ってきた。
「今日の便器は浣腸慣れしているとのことですので、この逸品を選びました」
 講義役の職員がワインホルダーから壜を取り出す。
「当牧場オリジナルブレンド、辛口の洗浄液、通称”ドラゴン”です」
 紳士らからどよめきの声が上がる。
「おお、あれが幻の!」
「あの超名品を惜しげもなく」
「超VIPともなると、流石に違いますな」
 職員はその壜を朋子の目の前に置いた。
「これが、この便器の中に入ります」
 朋子の恐怖は絶頂に達した。浣腸という言葉と洗浄という言葉、そして今職員が言った”便器”が
誰のことなのか、聡明な彼女にはこれらが何を意味するのかはっきりと理解できた。
「そんなの・・・そんなの入れないで!!」
 紳士らはその悲痛な叫びを愉しみこそすれ助けようともしなかった。
 職員らは朋子の叫びを完全に無視して、着々と準備を行なう。いやむしろ彼女の恐怖を煽るかの
ように目の前で作業を行なっていた。
 ”ドラゴン”をイリゲーターの中に注ぎ込み、朋子の横に置かれたラックに引っ掛ける。そして
カテーテルの中から空気を追い出すとクリップで流出を止めた。
「このイリゲーターの高さは便器の”口”よりも50センチくらい上のところにかけてください」
 職員の説明は朗々と続く。
「そして、このカテーテルの先端を便器の”口”に・・・・・・入れます!」
「はうっ!!」
 朋子の肛門にカテーテルが挿入され、その先端が朋子の直腸、そして大腸に侵入していった。
「カテーテルはこの肛門ストッパーの長さまで入れて、そしてこれで肛門に止めます」
「あがぁぁっ!!」
 朋子の肛門に”ストッパー”が栓をする。今までされた浣腸にはない痛み、患者たる藤波朋子を
労わり彼女の身体を守るための行為と、便器たる藤波朋子を弄り彼女の心身を陵辱するための行為の
違いであった。
「留まっていることを確認いたしましたら、ここでクリップを外してください」
「ひゃうっ!!!!」
 朋子の体内に生温い感触が侵入し始めた。その感触は今までの人生で感じたこともないほど不快で
忌まわしいものであった。
「(気持ち悪い・・・熱い・・・・・・)」
 ”ドラゴン”がゆっくりと朋子の身体を冒していく。朋子の腸内の生温い感覚がいつしか焼ける
ほど熱くなり、それが身体全体に広がろうとしていった。その感覚を朋子は懸命に堪えていた。
この羞恥に負けたくなかったのもあった。だが、それ以上に大便を漏らし、連れて行かれた親友の
鳳仙エリスに降りかかっているであろう災難に比べれば、という想いが強かった。
「(負けない・・・だから・・・・・・)」
 病弱な自分がこれに耐えれば、エリスもまた・・・・・・根拠の無い願望であったがこれが朋子の親友に
対するエール、そして自分に対する励ましであった。
「上半身がヒマそうだな・・・」
 紳士はそう呟くと、コーチ役の職員に何やら相談をした。二人は話し合い、何かに合意した。
「・・・様のご厚意により、上半身のみですが皆様に楽しんでいただけることになりました」
 周りの紳士淑女からは拍手と喝采が寄せられた。
「道具は以下のものに制限させていただきます。ろうそく、羽ボウキ、洗濯ばさみ・・・・・・」
 紳士たちは先を争って道具を取り、朋子のもとに殺到する。身動きの取れない朋子の唇を貪り、
その背中に蝋を垂らし、手に自らのモノを握らせる。羽ボウキで腋をくすぐり、洗濯ばさみで
乳首を挟む。そして悲鳴をあげて身悶えをする朋子を嘲笑う。その間にも朋子の体内には洗浄液が
注ぎ込まれ、彼女を責め立てる。
「(まだ、まだ負けない・・・まだ負けない・・・・・・)」
 紳士らの仕打ちに朋子は懸命に耐えていた、そして親友のエリスと共に救われることを願った。
「(みんな・・・・・・)」
 学校で孤立していた自分に手を差し伸べてくれたみんなのもとに帰るんだ、それが朋子を支える
僅かな希望であった。だが、朋子はその心に思った友達らがこの場所で同じような目に合っている
ことをまだ知らなかった。

 牧場では日没は大きな時間の区切りになっている。屋外で家畜と戯れる時間は終わり、室内にて
家畜と遊ぶ時間の始まりである。牧場から戻った紳士たちはシャワーを浴び、日中のカジュアルな
装いからフォーマルな衣装に着替える。そして迎賓館の大広間で歓談をしながら、日中の家畜談義に
華を咲かせるのである。朋子はそこでオブジェとして、紳士らの目を楽しませていた。
 浣腸が残り僅かになった頃、職員らは紳士らに楽しみを止めるようにお願いをする。さすがは
紳士である。折角の楽しみを止められても不満はあるだろうが、そこはすぐに止めた。
 散々弄ばれぐったりとしている朋子の身体に職員らは透明のチューブを巻き始めた。その管の端を
朋子の顔の前にして、首を二回、それから右手を巻いて、一旦胸を巻き、更に左手、それからまた
身体に戻って腹部を、そして左足、先端までいくと今度は右足の先端から付け根に向かってそれを
まく。しばらくすると朋子は透明なチューブでぐるぐる巻きにされていた。
「(何をするの・・・?)」
 朋子にはこの行為が何を意味するのか全く判らなかった。しかし、ぐったりと疲れ果てた彼女に
この行為を問い詰める気力など残されてはいなかった。
 そうこうしているうちに朋子の浣腸が終了した。めいいっぱい浣腸液を注がれた朋子のお腹は
エリス同様ぽっこりと脹らみ、さながら妊娠6ヶ月という具合である。
「・・・・・・くぅぅっ」
 これだけ注がれるといつ洩れてもおかしくはないが、衆目で洩らすことは朋子にとって耐えること
のできるものではなかった。
「ふぁっ!」
 職員は朋子の肛門にチューブの一端をねじ込む。危うく洩れそうになるのを朋子はなんとか堪えた。
その様子に周りの紳士たちからは拍手が起こる。
「(何・・・拍手なんかしてんのよ!)」
 朋子はひそかに悪態をつく。
「(えっ!?)」
 職員は機械を操作すると朋子をくるりんと回転させた。浣腸時のうつ伏せ状態から仰向け状態に
なった朋子は天井の鏡を見て、初めて自分がどういう状態なのかを知ることができた。
 自分の身体をコイルのようにぐるぐるとチューブが巻き、その一端が目の前にあり、その反対側が
自分の肛門に刺さっていることに気付いたのである。
「(・・・何?・・・・・・どういうことなの??)」
 今、自分の見に何が起こっているのが彼女にはまったく理解できなかった。この理解できないこと
に疑問をもった朋子はしかし迂闊にも肛門の力を緩めてしまった。
「!」
 プリュッという音がマイクで拾われ会場中に流れる。次の瞬間、朋子の肛門から出た茶色い液体が
チューブに流れ込み始めた。
「(えっ!)」
 一回緩んだ肛門から次々と流れ出る朋子のもの。それは彼女の右足にチューブに伝わり始めた。
事態を察知した彼女は肛門に力を入れてそれ以上の流出を食い止める。その甲斐あって噴出は抑え
られたが朋子の右足に巻かれたチューブは茶色い液体で満たされてしまった。
「(何考えてるの!?)」
 天井の鏡に映る自分の様子と今の瞬間まで体内で温められていた液体の熱を右足に感じた朋子の
驚愕は大きかった。このまま流出すると身体中に巻かれたチューブを辿って、最後には・・・・・・
朋子は自分の眼前にあるチューブの一端に恐怖の眼差しを送る。
 そのうち、朋子のお腹の部分がせりあがり始めた。職員が操作したのである。朋子は”へ”の字の
形にさせられた。そのことは彼女の耐える力を分散させる結果になった。
「(あっ・・・あっ・・・・・・)」
 みるみる緩む力と会場中に響き渡る肛門の音、そして身体の各所に伝わる微妙な熱感、それが何か
朋子には容易に連想できた。
「(いや・・・止めて、誰か止めて!!)」
 もはや朋子に自らの肛門を締める力などなかった。お腹に入っていたものがどんどんあふれ出して
いくのが自分でも判った。
「(助けて・・・助けて、上倉先生!!)」
 朋子は心の中で泣き叫び、助けを求めた。しかし当然ながら助けに現れるものなどいなかった。
 その微妙な熱感は朋子の腹部から左手、そして胸を伝わり、右手に移行する。その頃にはその液体
が天井の鏡ではなく、自分の目前に現れるようになっていた。
 右手の末端から肘、二の腕に伝わる熱感。朋子は渾身の力で肛門を引き締める。その甲斐あって
その微妙な熱感は脇の辺りで止まる。安堵する朋子であるが、それはまもなく絶望に変わった。
「やだっ!」
 誰かが朋子のお腹を押さえつけたのである。まるで朋子の中にあるものを全て出し尽くそうとする
悪意に満ちたその力は肛門を抑える渾身の力を凌駕し、最後の距離を行かせるには十分であった。
 朋子の脇で止まっていた茶色い液体は移動を再開し、眼前のチューブにまで伝わっていく。
「(くっ・・・臭い!!)」
 遂に朋子の目の前のチューブから朋子のモノが流れ始めた。浣腸の液の臭いも混じってか、それは
ひどく臭かった。
 朋子はその異臭から逃れたかったが身体を固定されている彼女にそんなことはできるはずもなく、
また顔を少しでも動かすとそれが自分の顔や身体に付きそうであった。
 その様子には紳士らは拍手と歓声を上げる。
「先生・・・上倉先生・・・・・・」
 撮影された朋子排便のシーンは彼女の横のモニターで繰り返し放映され、戻ってくる紳士らの目を
楽しませていた。オブジェと化し、晒し者にされた朋子は恥辱と異臭に耐えながら、声を殺して泣く
ことしかできなかった。
 やがてボーイが紳士たちにアトラクションの開始を告げに廻る。
 この牧場においては宵の口より家畜たちのアトラクションが行われることになっている。そして
そのアトラクションは内容により迎賓館の各部屋に分かれて開催されており、紳士たちはお目当ての
家畜のいる部屋にそれぞれ赴いて観戦、または参加するのである。
 エリスのパレード、いや牧場引き回しは日が沈んだことにより中断され牧場全域を回るには至らな
かったが、彼女が大便を失禁したことは牧場全てに知れ渡っていた。それは今晩のアトラクションの
宣伝にもなっていた。
「鳳仙エリス、入場です!」
 アトラクションブースの一室にエリスは入場する。今日は彼女の家畜デビューの日、新たな家畜の
登場に会場は大盛り上がりである。
「ほほう、見事な金髪碧眼ですな」
「見事といえば、あのオッパイ。まさに芸術品ですよ」
「背は低いのに大きなオッパイ、反則ですな」
「うん、反則だ反則だ」
「あんなに大きいオッパイをしているくせにウンチを漏らすとはな!」
「子供だな、まるで」
「子供には躾が必要だ!」
 紳士たちのいやらしい会話に、しかしエリスは反応する余裕はなかった。さすがに失禁したパンツは
脱がされ、身体に付いた汚物もキレイに洗われていたが、大胆な白ビキニを着用したエリスは男四人が
担ぐ御輿に乗せられ、会場中を練り歩いていた。その御輿は三角木馬であり、練り歩く振動はエリスの
股間に耐え難い痛みを与えていた。
「エリスの躾を!」
 紳士の一人が金貨を投げる。職員はその金貨を拾い、エリスの足首に結わえられた籠の中に入れる。
「オッパイだけ大きい子供に躾を!」
「エリスに折檻を!」
 紳士たちは金貨をエリスに向けて投げる。職員はそれらの金貨を拾い集め、全てエリスの足首の籠に
入れる。
「いっ、痛い・・・痛いよう・・・・・・」
 一つ一つはさほど重くなくてもそれなりの数が集まれば金貨はやはり重い。重石となった足首の籠は
エリスの股間を木馬により深く食い込ませた。
 会場中を練り歩いた御輿は真ん中に据え付けられたリングに向かい、その中でエリスを下ろした。
 これから何をされるか判らなかったが股間の苦痛を逃れられたエリスはひとまず安堵した。もっとも
その安堵はすぐに打ち破られる程度の代物でしかなかったが・・・・・・
 タキシードを着込んだ男がリングの中に入り、エリスの横に立ちマイクで放送した。
「さて、皆様もご存知のようにここにいる鳳仙エリスは大便を失禁し、お客様のものを汚してしまい
 ました!!」
 会場中の紳士らは嘲笑しながらブーイングをする。
「その様子をご覧ください!」
 会場は照明が落とされ、エリス失禁の様子がモニターに映し出される。特に排便の瞬間の音は特大の
音量になって響き渡った。エリスは身体を丸め、耳を塞ぐ。
「さて皆様、このエリスめに”躾”をしたいと思いますが、いかがでしょうか?」
「「賛成!」」
「「賛成!」」
 会場は賛成のコールで満たされる。
「では、躾に移りたいと思います」
 別の男らが現れ、エリスを四つん這いにするとビキニパンツを下ろし、尻を出させた。
 司会はエリスの足首の籠から金貨を一枚取り出すと大きく数えて放り投げる。
「い〜ち!」
「ふぅあぁっ!!」
 その瞬間、男の一人がエリスの尻を平手で叩く。
「に〜!」
「い、痛い!」
 二発目が炸裂する。
「さ〜ん!」
「お・・・お願いだから・・・・・・叩かな・・・!!」
 金貨が数えられる度に男たちはエリスの尻をスパンキングする。許しを乞い、哀願するエリスの涙と
叫び声を紳士たちは堪能していた。
「25!」
 エリスの足首に結わえられていた籠から金貨を取り出す度に係の男は彼女の尻を叩く。その音は
気持ちいいくらい響き、同時にエリスの悲鳴も響く。
「あぁぁぁぁぁっ!!!」
「いい声ですなぁ〜」
「まったくまったく」
「しかし、反省の様子は見られませんな〜」
「そうですな」
「もっと躾なければ」
 観客らと職員らの怪しげな空気を察したエリスは哀願する。
「反省しています!もうしません!だから・・・だから、許してください!!」
 だが、紳士らは首を横に振る。
「口先だけなら何とでも言える!」
「そうだそうだ」
「反省していま〜す、ごめ〜んなさ〜いってな」
「そ・・・そんな」
「26!」
「あぁぁぁっ!!」
 男らによって抑えつけられているエリスに逃げる術はない。そんな彼女へのスパンキングはしかし
容赦はなかった。エリスの尻を叩く音と彼女の叫び声が交錯し、会場にいる紳士たちを悦ばせる。
「許して・・・お願い、もう許して・・・・・・反省しています・・・」
「何を許すのかね?」
「そ・・・それは・・・・・・」
「32!」
「いぎぃぃぃ!!」
 既に真っ赤になっているところを更に叩かれたエリスは崩れ落ちそうになる。
「鳳仙エリスくん・・・だったね。君は何をしたのかね?」
「・・・・・・」
 エリスの沈黙はスパンキングによって報われた。悲鳴を上げたエリスはたどたどしく話す。
「ほ・・・鳳仙エリスは・・・・・・う、うん・・・・・・」
「うん?」
「35!」
 エリスの言葉はスパンキングで止められる。倒れるのを許さじと男は彼女を支える。
「鳳仙・・・エリスは・・・・・・うんちを・・・うんちを洩らしました・・・・・・」
「36!」
 エリスの言葉など関係ないとばかりにスパンキングが響く。
「大きな声で」
「エリスはうんちを洩らしました!」
「37!」
「聞こえないですね〜」
「もっと大きな声で!」
「エリスはうんちを洩らしました!」
「38!」
「エ・・・エリスは・・・・・・うんちを洩らしました!!」
 エリスは懺悔と自己批判、そして哀願を繰り返したがスパンキングは終わらない。
「49・・・・・・50!」
「エ・・・エリスは・・・・・・うんちを・・・・・・」
 スパンキングが終わり、抑えていた男らが手を放すとエリスはそのまま床に崩れ落ちた。足首の籠に
入っていた金貨50枚の数だけ叩かれた尻は猿のごとく真っ赤に腫れ、泣き叫ぶ声すら枯れ果てていた。
「・・・エリス」
 エリスの叩かれる音と悲鳴に朋子は涙を流した。親友を助けることのできない自分に腹立たしさを
覚えた。だが、彼女もまた悲惨な状態にあった。
「歳は取りたくないものですなぁ。小便が近くて困る」
「まったくまったく」
「ほう?これは・・・」
「便器”藤波朋子”か」
「いやいやトイレまで楽しませてくれるとは」
 オブジェから解放された朋子は今度は二三段低い床の上に大の字に固定されていた。二人の紳士は
少し高い台の上から朋子に向かって放尿を開始した。
「♪と、と、朋子〜こっちの尿はあ〜まいぞ〜」
「はははははは、糖尿ですか」
 二人の紳士のおしっこを掛けられている朋子には耐えることしかできなかった。
 やがてエリスも朋子も会場から”撤去”された。超VIPたちの嗜好の時間になったからである。
 しかし、会場の宴はまだ終わってはいない。そんな紳士たちの饗宴を満足げに見つめる者がいた。
この牧場の幹部である。彼は顧客が楽しんでいることに喜びを覚え、周りのいる超VIP会員らに
嬉々として説明していた。
 その輪の中に異彩を放つ一人の人物がいた。その人物の名前は鷺ノ宮紗綾、この部屋にいる唯一の
女性である。ある種、妖怪じみた者たちの中にあって美しさを放つ人物であった。しかし、彼女が
異なる理由はそれだけではなかった。彼女は下着姿でテーブルの上に拘束されていたのである。


<続く>

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